SSブログ

「日本電子書籍出版社協会」発足、電子書籍元年…。 [デジタルコンテンツ]


2010年3月23日、国内出版社31社は「日本電子書籍出版社協会(電書協、The Electronic Book Publishers Association of Japan、EBPAJ)」を設立しました。

「日本電子書籍出版社協会」は、電子書籍市場への対応に向け、2010年2月に設立された社団法人です。

2010-01-28「アップル、タブレットPC「iPad」を発表!」

日本語電子書籍のデジタル化に際して、

・フォーマット共通化
・ハードメーカーとの折衝
・著作権者との契約など法的問題への対応
・読者の嗜好分析とマーケティング

などを行うことを目指した団体です。

以下の大手を中心にした錚々たる31社の参加が予定されています。

朝日新聞出版、学習研究社、角川書店、河出書房新社、幻冬舎、講談社、光文社、実業之日本社、集英社、主婦の友社、小学館、祥伝社、新潮社、ダイヤモンド社、筑摩書房、中央公論新社、東洋経済新報社、徳間書店、日経BP社、日本経済新聞出版社、日本放送出版協会、早川書房、PHP研究所、扶桑社、双葉社、ぶんか社、文藝春秋、ポプラ社、マガジンハウス、丸善、山と渓谷社(アイウ順)

居並んだ上記31社は、売上合計が国内書籍売上を?%以上を占める出版業界の巨人たちです。

アップル、グーグル、アマゾン等の外資系業者が電子書籍をダウンロード販売することを目論んでいますが、先ずはこの「日本電子書籍出版社協会」との交渉が必要になります。

ただ、現在の書籍流通は出版社のみならず、日販、東販等の書籍取次、全国各地の書店、コンビニまでを含めれば巨大市場です。

電子書籍が紙の本と比して、価格、販売チャネル、時期等について適正・適切にリリースされないと、既存の流通市場が大きくダメージを受けてしまい、最悪の事態では崩壊してしまう恐れすらあります。

その意味では、日本語文化と書籍流通の命運を懸けたとても重大な局面に至りました。

大手出版社でさえも大変厳しい状況ですが、中小出版社は更に切実だと思います。

アップル、グーグル、アマゾン等外資系業者が日本の出版業界に風穴を開けるとすれば、中小出版社を個別交渉していくという地道な手法も考えられます。

ではどこからアプローチするのか?

攻め易い所から攻めるという定石に基けば、中小出版社群の数を取りに行く“ロングテール戦略”を狙う可能性もあります。

例えば、「ハリーポッター」シリーズを出版する静山社がイの一番で思いつきます。

重くて大きい「ハリーポッター」シリーズが電子書籍になれば、ユーザーもメリットを感じますし、新規にデバイスを購入する理由の一つにもなります。

メガヒット作を抱える静山社は特別な存在かもしれませんが、普通の中小出版社は生き残りをかけて電子書籍に一気に傾くことは十分に考えられます。

中小出版社の中には、著作権も含めて会社丸ごとを外資業者に売却してしまう場合もあり得ます…。

「日本電子書籍出版社協会」は、今後急成長が期待される電子書籍の新市場に対応しながら、紙の本と既存市場と既存流通を守り、相互の相乗効果を目指すという極めて難しく重要な任務を背負っています。

10年、20年後の日本語文化の有り様を見据えて、目先のメリット・デメリットに捉われることなく慎重且つ思慮深い対応が求められます。

加えて、日本語文化の健全性を維持・成長させるためにも是非頑張って欲しいです(大変ですが…)。

アップル、グーグル、アマゾン等の米系業者が虎視眈々と電子書籍市場の開放を狙っていますが、日本代表としてソニーが日の丸を背負って堂々と対抗してもらいたいと思います。

今件の影響は出版業界に留まる小事ではなく、日本語を使うマスコミ・ジャーナリズム・文化・教育にも連鎖反応する一大事です。

将来の実生活に悪影響が出ないことを願うばかりです。

あとはユーザーが総合的に勘案して賢明な判断と選択をするハズですが、果して如何に?…。

「電子書籍の衝撃」
By 佐々木俊尚(著) 出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン(2010/4/15)




アロマショップ アロマテラピー アロマ教材 精油 エッセンシャルオイル 金網 レーザー加工 渋谷の海外旅行保険
nice!(1) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

nice! 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。