グーグル、中国本土撤退後は香港からサービス継続。 [インターネット]
3月22日、グーグルは中国向け検索サイト「Google.cn」の検索結果への検閲を中止すると発表しました。
現在、グーグルの中国サイトへアクセスすると自動的に香港(Hong Kong)版の検索サイト「Google.com.hk」へ誘導されます。
中国当局は今件について、激しくグーグル並びに米国当局を非難しています。
検閲は“郷に入れば郷に従え”なので参入条件として甘んじて受け容れるとしても、(事実ならば)中国当局が関与が疑われているハッキング攻撃があるようでは、プライドも我慢も限界だったのでしょう。
検閲については中国当局が妥協する可能性は最初からゼロなので、グーグルが屈辱に耐えてまで中国に媚びる必要があるかどうかがキーポイントでした。
グーグルの中国から収益は全体の1-2%程度(推定)なので撤退しても業績に与えるダメージは限定的と見られています。
それよりも中国当局による検閲とハッキングの脅威に晒されている方が、企業イメージの低下させ将来的なダメージになると判断したのでしょう。
グーグルの中国の検索エンジンにおけるシェアは35.6%とのことです。
グーグル撤退後、中国での各社の市場占有率がどのように変化するかも注目です。
●中国の検索エンジン・市場シェア
百度 | 58.4% |
グーグル | 35.6% |
捜狗 | 1.0% |
捜捜 | 0.7% |
中捜 | 0.6% |
網易有道 | 0.4% |
その他 | 3.2% |
参考:【図解】中国の検索エンジン
Googleのユーザーは全体から見れば35%以上もいますが、他エンジンがそのユーザーのニーズを満たせるかが課題です。
もし不満が続出すれば、矛先が中国当局に向かないとも限らず、今後不穏な火種になるかもしれません。
今件は両者痛み分けで決着しそうですが、中国のイメージダウンの影響が表面化するのはこれからです。
ネット帝国主義の尖兵・グーグルをドリル役にして、中国の体制に一穴をコジ開けるのが米国の狙いです。
一方、中国はようやく“失われた40年”を取り戻したばかりです。
そして今、発展途上国の皮を被りながら米国と覇権を二分するために一党独裁国家のメリットを最大限生かそうとしています。
竜(中国)に対して鷲(米国)がタッチアンドゴーで戦線離脱した構図ですが、今後も目を離せない緊張関係が継続すると思います。
グーグルが1年で中国に戻る可能性もある…と感じています。
「ネット帝国主義と日本の敗北」搾取されるカネと文化 幻冬舎新書
By 岸博幸 幻冬舎 2010年01月
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